Owners Entrance
Latest News


2013年三冠競走を振り返って

 米国は先週末のベルモントステークスを以て三冠競走が終了。喧騒後の静けさにホッと一息ついたところです。各有力馬はそれぞれの所属厩舎へ戻り、一休みしてからサラトガやデルマー競馬場を目指します。今年は当社で生まれ育ったフラックダディがケンタッキーダービー、そしてベルモントステークスに挑戦しました。前者は不良馬場で足元を気にしてレースをしておらず競馬後も疲れは余りなく、ベルモントステークスでは逆に先行逃げ切りを図りましたが、既に体調のピークは過ぎていたようです。結果は残念でしたが、同期2万8千頭の上位20番以内に入れたことは、当社のスタッフの大きな自信になりました。昨年もサクリスティがケンタッキーオークスに挑戦し、ボディマイスターがダービーに。2年連続で米国クラシック競走に駒を進める逸材の育成に関わることになりましたが、これに満足せず「2度あることは3度ある」という日本で使われる表現を来年春のクラシック競走で証明したいと思います。


2013年冬

 昨年師走は重要な海外出張が二件入り、年明け早々キーンランド1月セールでの代理購買のための調査で忙しく、正月気分を全く味わえないまま、繁殖シーズンに入りました。さて英語版Webで紹介している通り、今年も当社関係馬からケンタッキーダービー出走権を狙える逸材が出現し楽しみが増えます。  今冬は一時寒い日もありましたが、概して温暖で新芽も来月には生え揃うのではないかと思われます。それに合わせて当歳も生まれ始めますが、油断なく社内繋養馬の管理に臨み、来年以降も逸材を各国に送り込めるよう日々全力を尽す所存です。どうぞ本年も宜しくお願いいたします。 追伸 先週、当社・吉田直哉が東京滞在時に伝説のバー'Avanti'に立ち寄り、ケンタッキー州やダービーの話をしてきたようです。この時に様子についてはAvantiのWebまたはYouTubeで再現できるようです。お時間がございましたら、どうぞお聞きになってください。


ハッツオフ終了のお知らせと御礼

 東日本大震災発生を受け、被災地の馬事文化保存と震災遺児支援を目的とした「ハッツオフ計画」ですが、本年3月の中山競馬場イベントを以って終了することを発表いたします。海外75組の競馬事業体・関係者を代表して、改めて支援者の皆様のご協力に深謝申し上げます。中山での開催では317個の帽子が販売され95万1,000円をお預かりし、それから経費を差し引いた91万2,365円について30万円を福島県庁児童家庭課へ、31万2,365円を被災馬支援を行っているNPO引退馬協会へ、そして30万円を相馬野馬追実行委員会へお役立ていただくことになりました。昨年の通販・イベントも含めた支援規模は帽子3,000個以上、義捐金1,000万円以上となります。帽子という形残るものの販売には、被災地への「継続的な」支援という意味を籠めています。今後も何らかの形でお手伝いできたらと考えています。  中山開催終了後、手元に保管している帽子については北海道競馬の連休開催、引退馬協会の支援イベント、そして今春ケンタッキー州で発生した竜巻で被害に遭われた方への支援事業に役立てる予定でおります。  最後にJRA、NAR、ユナイテッド航空、全日空、ヤマト運輸、そして日本での活動を支えて下さったボランティアの皆様へハッツオフイベントへの協力について、謹んで御礼申し上げます。


被災地支援計画「ハッツオフ」第二弾開催について

 昨年3月11日に甚大な被害をもたらした東日本大震災から1年が経とうとしています。災害発生後、日頃サラブレッドに関する取引で日本と繋がりが深い、海外のサラブレッド産業界が被災地の皆さんのお役に立ちたいと考えて立ち上げたハッツオフ計画。生産牧場、競馬場、競売会社など其々の競馬事業体が作成した制帽を寄贈し、日本の競馬・馬術ファンの皆さんにお買いいただき、その収益を福島県の歴史ある馬事文化行事「相馬野馬追」の存続、そして被災地の将来を担う震災遺児の皆さんの教育支援のために、岩手・宮城の両県庁、南相馬市、さらに被災馬の支援団体である日本引退馬協会に寄付いたしました。馬上で私共は帽子という形残るものを購入していただき、被災地への支援の「継続」の必要性についても訴えようと考えました。日本側では競馬報道に関わるマスコミ、アナウンサーが中心となったボランティアチームが、あっという間に編成され想像を遥かに上回る約2700個の帽子が引き取られ932万円(注:送料/関税引き前)をお預かりする結果となりました。  今年も私達競馬サークルでは被災地へのお見舞いと激励のために3月10日(土)、11日(日)に「ハッツオフ・第2弾」として、日本中央競馬会および中山馬主協会の協力を得て、中山競馬場・ナッキーモールで義捐品の販売を行い、南相馬市、福島県庁(震災遺児支援担当部署)、そして引退馬協会の支援のために、その収益を役立てたいと考えています。臨時ブースは競馬場開場時刻からオープンし、今年も昨年ボランティアとして活動した女性キャスター陣が中心となりイベントを運営いたします。  また、今回はHats Off for Japanというフェイスブックを開設しました。そこで昨年からの私達海外関係者の取組みや、日本側のボランティアチームの活動の様子、それぞれのメンバーからのメッセージなどを掲載し、また別の形あるメッセージを被災地へ送りたいと考えています。  謹んで皆様のご協力をお願い申し上げます。  競馬サークルとボランティア関係者を代表して  米国ウィンチェスターファーム プレジデント  吉田直哉


ハッツオフ計画第一弾 義捐金合計額のお知らせ (2012/1/15)

昨年、海外競馬サークルの皆さん、そして日本の支援者の皆さんと共同で行ったハッツオフ計画についてお知らせいたします。中間報告でお知らせした\2,187,521の残金から、帽子輸送コスト、関税等を差し引いた\1,544,786を震災遺児の育成資金として役立てるため宮城県保険福祉部子育て支援課へ義捐金を送付いたしました。同県庁によりますと、震災で両親を失った遺児が126名、片方の親を亡くした遺児が720名いるとのことです。ハッツオフ計画については第二弾についてのお問い合わせをいただいており、被災地の「継続的な」支援を訴えるために是非春以降に行いたいと当社はじめ、昨年ご協力いただいた競馬関係者は考えています。最後に改めてご協力いただいた皆様に心から深謝申し上げます。


新年のご挨拶

 本年もどうぞ宜しくお願いいたします。昨年は日本、トルコで大地震がございました。母国、そして顧客が住む国での震災に心を痛めました。今年も仕事を通じて、または募金などによりささやかながらお手伝いできればと考えております。牧場は暖冬のお蔭で寒さによるロスがなく、繋養馬は最高のコンディションで越冬中。元旦には当社で生まれ育ったサクリスティが三歳牝馬のGr.3オールドハットステークスに優勝。ケンタッキーオークスを目指します。そして、私達もいよいよ分娩シーズンに突入。人馬の安全を最優先に初夏まで最善を尽くします。


ハッツオフ(Hats Off)計画中間報告について

「国際競馬サークル日本馬事支援  ハッツオフ(Hats Off)計画」へのご協力に対し、日本国内支援者そしてボランティアの皆様、販売イベントに協力していただいた日本中央競馬会、地方競馬場各主催者の皆様に対し改めて深謝申し上げます。皆さまへ6月30日時点の当支援事業全般について、下記の通り報告申し上げます。 帽子販売総数2,718個 義援金総額 9,329,521円  義援金には帽子の他、東京競馬場でのサングラスストラップ、旅行鞄用ネームタグ販売、そしてツイッターで募集したアウトドアジャケット7着分の売り上げの他に、寄付金として頂戴した義援金が含まれております。お預かりした義援金から、次の3団体に馬事文化保存、被災馬救済、そして震災遺児支援のためにお役立ていただきたいと思います。 南相馬市  3,642,000円 岩手県庁(まなびの希望基金)     2,000,000円 引退馬協会      1,500,000円 次に上記の寄付後、発生する2,187,521円の残高の取り扱いについて説明いたします。  帽子等の送料、関税、イベント開催のため必要とした経費などをここから差し引きます。これに今月18日に盛岡・笠松両競馬場で行われるハッツオフイベント、そして7月1日以降の帽子通信販売の収益を合算し、残金すべてを上記団体へ再度送金いたします。但し、次回は岩手県ではなく宮城県の遺児支援団体へ送金いたします。最終的な会計報告は当計画終了時に改めてプレスリリースにて発表いたします。  被災地の復興には長い時間を要します。我々、競馬サークルは今後も支援事業を計画し、東北地方の皆さんに激励のメッセージを届けたいと思います。


ハッツオフ計画へのご支援について

 ハッツオフ計画の帽子の申し込み方法について説明いたします。Hatsoffky@aol.comまで@お名前(フリガナも)、A郵便番号・住所、B電話番号、C希望個数をお知らせ下さい。皆様からメールを受信後、折り返し送金先口座を連絡いたします。御入金確認後に発送手続きを行います。尚、ボランティアの皆さんの予定や、在庫、米国からの配達状況により発送に多少時間がかかることがあります。また、デザインを選べないこと、帽子の数に限りがあるため希望個数をお渡し出来ないことがあることをご承知の上、お申し込み下さい。希望個数未満の帽子をお渡しするときは差額を返金いたします。帽子の申し込みは先着順に受け付けます。皆様のご協力を宜しくお願いします。国際競馬サークルを代表して改めて御礼申し上げます。吉田直哉


国際競馬サークル日本馬事支援「ハッツオフ(Hats Off)計画」

 この度、本年3月に発生した東日本大震災および福島原発問題で苦境に立たされている福島県の日本古来の馬事文化存続、そして震災遺児の教育資金支援を目的として、海外のサラブレッド産業界有志による被災地の馬事文化復興支援プロジェクト・ハッツオフ計画(Hats Off for Japan)を立ち上げました。  ハッツオフ計画では、日本以外のサラブレッド生産国、或いは競馬開催国の競馬事業体、関係者等から提供された同産業に関係するデザインの帽子を、本プロジェクトの趣旨をご理解くださる皆様へお引取りいただき、それによって得られた収益全てを福島県相馬地方で地域文化存続のために奮闘される関係団体、そして震災により学業困難となった次世代を支える福祉団体へ寄付いたします。 ハッツオフ計画に参加する個人・企業は下記の通りです。(※五十音順 5月18日現在) アイリッシュサラブレッドマーケッティング(愛国) アッシュフォードスタッド(米国) アメリカンジョッキークラブ(米国) アーリントンパーク競馬場(米国) イートンセールス(米国) ウィリアム・イングリス社(豪州) ウィンスターファーム(米国) ウィンチェスターファーム(米国) ウッドパイン競馬場(カナダ) ウッドフォードサラブレッド(米国) エディ・ウッズステーブル(米国) オーバーブルックファーム(米国) オールテック社(米国) カイガーインシュアランス社(米国) カラ競馬場(愛国) カルダー競馬場(米国) カルメットファーム(米国) カークウッドステーブル(米国) キャッスルトンライアンファーム(米国) キーンランド協会(米国) クリス・ステューブス氏(米国) クレイボーンファーム(米国) クールモアスタッド・オーストラリア(豪州) ゲインズウェーファーム(米国) ケスマーク・フロリダ(米国) ケンタッキーサラブレッド協会(米国) ゴドルフィンマネージメント(ドバイ) サラブレッドデイリーニュース(米国) シエラファーム(米国) ビル・ジャスティス氏(米国) シャドウェルファーム(ドバイ・米国) ジャドモントファーム(英国・米国) スティーブンスサラブレッズ社(米国) スペンドスリフトファーム(米国) スリーチムニーズファーム(米国) タタソールズ社(英国) ダップルブラッドストック(米国) ダービーダンファーム(米国) ダーレー・オーストラリア(豪州) ダーレー・キルダンガンスタッド(愛国) チェバリーパークスタッド(英国) チャーチルダウンズ競馬場(米国) ツインスパイアードットコム社(米国) デナリスタッド(米国) フランシス・デュプア氏(フランス) テイラーメイドファーム(米国) デリンスタウンスタッド(アイルランド) トッド・プレッチャー氏(米国) ニアルコスファミリー(フランス) ニューマーケットエクワインホスピタル(英国) アンドレ・ファーブル夫妻(仏国) ニール・ブレナン・コンサイメント(米国) パラマウントセールス(米国) ハンターバレーファーム(米国) パーベンシュテットアンドパオリ社(ドイツ) ヒルンデールファーム(米国) ピンオークスタッド(米国) フェアグラウンド競馬場(米国) ファシグ・ティプトン社(米国) ウィリアム・フィリップ厩舎(米国) エリザベス・ブライス氏(米国) ブラッシュウッドステーブル(米国) ペディグリーリサーチコンサルタント社(米国) ヘミテージファーム(米国) 香港ジョッキークラブ ホールウェーフィード社(米国) ジョン・マニエ氏(アイルランド) レーンズエンドファーム(米国) ロックウェルファーム(米国)  帽子は一つ\3,000(送料込み)を予定しています。申し込み・御送金方法は日本時間の2011年4月29日に当ホームページで発表いたします。皆様のご協力を宜しくお願いいたします。


震災の発生について

 日本時間3月11日に発生した東北太平洋地震、それに伴い発生した津波により被災された皆様に対し、当社を代表し心からお見舞い申し上げます。  日本は言うまでもなく、私の母国であります。母国でこのような大きな災害が発生し、多くの皆様が落命され、そして生存者の皆様の多くが困難な生活を強いられていることに心を痛めております。  被災生活の改善や復興支援のための協力については米国にいることもあり、かなり限られたものとなりますが、当国での募金活動へのボランティア参加や、生産馬売却益の一部をご活用いただけるようにし、またケンタッキー州や競馬関連団体と協力して、少しでもお手伝いさせていただきたいと考えております。  重ねてお見舞い申し上げます。 吉田直哉・マリ


来年の配合について

 今週末のハローウィンが終わるといよいよ米国では来年の交配料の発表が各種馬所から行われます。この米国の不況下でケンタッキーの種牡馬競争も厳しくなっております。実績馬、人気馬は11月中に明年の交配権申し込みが殺到し、受付を締め切るケースもありえると思います。  今年は例年よりもやや早目に配合を決定し交配権の確保に努めたいと思います。


2010年初冬

 人馬とも無事新しい年を迎えました。牧場は先月から2010年の繁殖シーズンに備えてきました。1月9日に今年最初の当歳が無事誕生しました。今年は合計45頭が生まれる予定です。 さて、この冬最も印象深かったことは香港競馬です。今回も国際競走開催日に合わせて吉田マリが香港へ出張しました。香港ではプレシジョン、フェアリーキングプラウンなど国際競走優勝馬を1歳市場で見出し同国へ送り出したことから、今でも当社にとっては重要な取引先となっています。今回マリが一番印象に残ったのは理事室でした。これまでの国際競走開催日は各国の競馬施行団体のトップ、政治・行政のVIPなどを招きフロアの半分は外国人で占められていましたが、今回はマリ以外全て中国人、しかもフロアも改装され中国色が濃くなったというのが本人の感想です。その理由は香港が中国本土とのコラボレーションで以前よりも増して力を発揮し、世界一流の経済大国の自信を深めているというのが大きな理由のようです。米国に端を発する不況やドバイ危機などは全く別世界の出来事のように思えたというのがMBAを取得して国際経済にも詳しいマリの感想でした。  そして、「またしても香港ジョッキークラブは変えてしまったか」と思えることがありました。香港の2つある競馬場のグランドスタンドの四分の三はレストランの構造になっています。観戦中ほとんどの時間をテーブルで過ごすため、前に一度バルコニーは必要ないのではないかとクラブの幹部と話したことがありました。今回マリはバルコニーのスペースが削られてレストランとしての機能が強化され、より楽しい雰囲気で競馬を楽しみ、これまで以上の熱気を感じて競馬場を後にしました。厩舎改革や、地元との共存・共生のための事業構築など香港ジョッキークラブの機敏性には全く恐れ入ります。  さて、渡米前は何事にもオープンな印象の米国でしたが、意外にも保守的で場合によっては政策転換に非常に時間が掛かることがあります。特にケンタッキー州はその傾向が強いと思います。その一方、一般市民からの行政への働きかけは非常に活発であることも特筆すべきです。米国の競馬産業は今転換期にありますが、日々の牧場やマネージメント業務に最善を尽くす一方、この地域や競馬産業に従事する皆さんと一緒により馬やそのオーナーへ、そして地域に還元できる産業構造の再構築にも打ち込みたいと本年は考えております。今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。(吉田直哉 記)


ツイッター・フェイスブック開設

 今年は日本との仕事が例年より多く、6月と7月に帰国しました。どちらも短期間の滞在でしたが、顧客や友人・知人などたくさんの方に会う機会がありました。米国進出後今年で8年目になりますが、未だに私達が米国でどのような仕事をしているか、どのような生活をしているのか疑問に思われている人が少なくないことに気付きました。ケンタッキーへいらっしゃる方の中にも我々が人里離れた未開の地で悪戦苦闘しているのだと思われている方がいます。「悪戦苦闘」の部分は当たっておりますが、人にも馬にも恵まれた立地条件で牧場を運営しており、それについてはこのホームページでお知らせしておりますし、関西テレビの競馬中継でも私達のドキュメントが放送されました。  今夏の日本出張時にツィッター、フェイスブックをいろいろな方から進められ、重い腰を上げ始めることにいたしました。ツイッター名はNaoyausaです。「普段着」感覚で書いており、米国生活についても言及しています。お時間がございましたら是非覗いて見ていただきたいと思います。  元々文章を書くことに苦手意識がございましたが、2004年からJRA優駿誌へ寄稿の機会を得、編集者に鍛えられるうちに未だ拙文の域ではありますが、書くことが好きになってまいりました。その優駿誌ではダービーやブリーダーズカップレポートの他にコラム、そして3月からは故・今井壽恵カメラマンの遺志を継ぎ世界の名馬を毎月担当することになりました。サラブレッドインフォーメーションシステムの奥野氏が紹介文を担当しています。奥野氏のリサーチワークは完璧で、競馬関係者に必要だと思われる情報を分かりやすく解説されています。基本的に旬な種牡馬を選ぶのですが、特に生産者に人気がある、ファンの皆さんには知られていないような変わった馬を選んで奥野氏を困らせようという意地悪な気持を抑えるのに時々苦労いたします。優駿誌についても是非ご購読いただき、ご感想などをお聞かせいただけたら幸いです。  また、北海道のハラマキファームクリニックが主宰する主に生産者を対象とした情報誌へもエッセイを寄稿することになりました。学術的な話題について多くのスペースが割かれているので、私は生産者、牧場経営者として普段感じていること紹介することにしました。人馬についての批評も正直に書いています。この月刊情報誌購読についてのお問い合わせは   info@haramakifarmclinic.comまでお願いいたします。


サイアーカムSirecamのご案内

 いよいよキーンランド9月1歳馬セールが近付いて参りました。ファシグティプトン社が先月のサラトガセールでSirecam社が提供する上場馬映像サービスを採用。同社のホームページから上場馬の映像を閲覧できるようになりました。  キーンランドセールではまず、www.keeneland.comへ接続。その後Online Catalogue、View Catalogueと進まれた後、上場馬の索引の種類を選んだ後、上場馬の一覧をご覧いただけます。その中で上場番号の横に黄色の背景に青色の馬の首が描かれたロゴマークをクリックすると映像をご覧いただけます。実は、キーンランド協会も多くのコンサイナーもこの利便性を認識しておらず、現在当社からキーンランド協会に連日、この映像サービスを普及させ、同社のホームページもデザインを変更しこのサービスを利用しやすいようにするよう働きかけています。競走馬はあくまで実馬を観て購入したほうが宜しいですが、ご都合でせり会場へお越しいただけない場合の有用な情報となります。  これから、9月そして、繁殖牝馬・当歳の11月市場がございます。この映像資料をご活用されては如何でしょうか。


サラトガセールでの成功

ニューヨーク州々都アルバニーから車で30分ほど北上したところに位置するサラトガスプリングスは主に東部の州の富裕層が避暑のために訪れる町として有名です。ここで行われるサラトガセールはかつてのキーンランドジュライセールと比肩する優れた若駒を購入する場所として長く知られています。主催者であるファシグ・ティプトン社は数年前にドバイ資本に買収されましたが、その後組織再編と施設の充実に取り組み年々関係者の注目を集めるようになりました。このせりへの上場申し込みは1月下旬でその後何度も主催者による鑑定が繰り返され、選りすぐりの良質馬が8月2日から2日間に渡って行われた競売に上場されました。恐らく、クオリティの面ではこのせりが今季世界で最高峰に位置するのではないかと思います。今年、当社産馬(上場番号16番 牡 父プルピット)が初めてこのせりに上場。実に160回以上馬房から曳き出されるほどの人気で初日、牡馬では2番目の高額馬となりドバイのハムダン・マクツーム殿下に売却されました。  サラトガセールにて高額で売却される馬を生産するというのは牧場創立時の目標の一つで、それを達成した嬉しさもありますが、この競売後当社の取り組みを評価していただいたことが何よりも嬉しく、今夏が8回目のサラトガの夏ですが、ようやく北米の競馬社交界にデビューしたよう気持になりました。後はこの1歳牡馬ブーンタウンガール2009の競馬場での活躍を祈るのみです。  次はいよいよ長丁場のキーンランド9月市場です。今年は4,900頭弱が上場されます。


中山馬主協会来社

 6月5日に中山馬主協会視察団が来州されました。一昨年から入念に旅程を吟味され、実際この旅行のための視察も行い有意義な滞在となるよう存分に準備されました。到着に会わせて丁度蛍が飛び始めて滞在初日の夜から自らの「リフレッシュ放牧」を満喫されているようでした。ケンタッキー州滞在中は吉田直哉が44人の参加者の皆様に随行し、当州の馬産、競馬場運営の現状を始め、日本と米国の生活スタイルの違いについて観光バスのマイクを片手に説明しました。種牡馬見学やチャーチルダウンズ競馬場でのレース観戦、さらに当社へお越しいただき米国馬産の現場を肌で感じていただきました。前述の競馬では主催者と打ち合わせをし二競走のスポンサーとしてレース運営を体験され、該当競走優勝関係者に記念品を贈るなど関係者との交流にも力を注がれました。


世界馬術選手権協力

 2009年10月14日に当地でエンデュランス競技会が開催されました。これは来年レキシントン市で行われるWorld Equistrian Game(世界馬術選手権大会)のための言わばテストを兼ねての行事で、当日は明年参加予定の各国の代表が参加しました。来年の参加予定者の中にはドバイのモハメド殿下もいらっしゃいますし、日本からも数組が参加する予定です。 エンデュランスは馬のマラソンとも言える競技でその距離は100km以上になります。レキシントンではメイン会場のケンタッキーホースパークを中心に160kmのコースを設定。その中には当社を含むいくつかの牧場の敷地内を走破する部分があります。 来年の開催時はキーンランドセプテンバーセールの直後に当たり、当社内には多くの馬が繋養されることになりますので、預託馬の安全と衛生管理を最優先に大会事務局と準備を進めております。@コースは放牧地外に設定すること、A全選手走破後、事務局側が直ちにコースを清掃すること、B参加人馬の通過予想時刻を予め把握し、コース付近の放牧地にいる馬を全て収牧すること、以上の三点を確認しました。尚、当社を開放するのは二時間ほどに過ぎません。また、報道関係者、参加人馬のサポートチーム、一般客が当社に立ち入ることございません。  以上のように繋養馬の安全に関しては全く問題なく、この大会を支援できると思います。どうぞご理解を賜りますようお願い申し上げます。この件についてご質問等ございましたら、当社・吉田直哉までご連絡ください。


ブリーダーズカップ2009と繁殖牝馬セール

 ブリーダーズカップ(BC)の季節がやってきました。2009年も昨年同様カリフォルニア州サンタアニタ競馬場での開催となります。欧州勢が圧巻した感のある前年の結果を踏まえて、迎え撃つ米国側も全天候馬場で経験を積んだ強豪馬が多く登録しています。BCの詳報については後日、吉田直哉が「優駿」誌に寄稿する予定ですので同誌12月をお楽しみください。  一方、今年のBC開催は当社にとっても非常に楽しみなものとなりそうです。当社繋養繁殖牝馬の産駒から、ギャビーズゴールデンギャル(父メダリアドロ)が米国牝馬のクラシックであるGr.1エイコーンステークス優勝しBCレディースクラシックをめざし、その半妹オールウェイズアプリンセス(2歳 父ルワデザニモ)がGr.1オークリーフステークスでデビュー後二戦目ながら2着と好走。BCジュベナイルフィリーでも人気になりそうです。さらに、本年10月にGr.1アルシビアデスステークスを快勝したネグリジー(2歳牝 父ノーザンアフリート)も勇躍ジュベナイルフィリーに駒を進めます。  馬産の基盤は繁殖牝馬という考えの元に顧客の皆さんと共に新しい血の導入を続けて参りました。今年はその成果が特に顕著に現れ、来る繁殖牝馬市場を前にこれら関係馬の活躍が当社スタッフを励ましてくれます。  当社を通して繁殖牝馬・当歳馬購入をお考えの方はどうぞお気軽にお問い合わせください。


講演会への招聘

 昨秋に続き今年もJRA、JBBA、HBAの共催で行われた「強い馬作り」を主題とした講演会に招かれ、「国際化に対応した馬産と経営−ケンタッキーからの提言−」と題しケンタッキー州の中小牧場の経営内容についてお話しました。ケンタッキー州の牧場の殆どは中小規模でそうした牧場が同州の馬産を支えていると言えます。大牧場やその他の競争相手に打ち勝つために会社組織として様々な工夫をしながら日々運営されています。今まで日本ではとかく技術論ばかりが先行した感がありますし、購買する側に立って市場制度を見てこなかったという気持もあります。米国で’96年に始まったレポジトリー制度は購買者側から獣医検査情報の開示要求をきっかけに設立されました。しかし、この10年少々の時間を振り返るとこの制度が生産者の意識・技術向上に役立ったと言えます。同制度については未だ黎明期にある日本ですが、日本国内外の購買者に安心して市場へ来ていただくためにも米国の例を復習することは大切だと考えます。主催者の発表によると今回の講演へは320名ほどの参加者が集まりました。遠くは千葉からいらした方もおりました。講演中そして終了後も馬産談義に花が咲きとても楽しい仕事でした。  米国では秋競馬そして来月の繁殖当歳市場の準備と忙しい日が続いています。一生産者として私達の挑戦も続いております。


2008年繁殖シーズン突入

 2008年の繁殖シーズンが始まりました。分娩第1号は1月6日に生まれたフサイチペガサスの牡馬(写真参照)。母はフランスの2歳牝馬のGr.1マルセルブサック賞で3着に入ったプレジアデジュー。これまでに数え切れない程の助産を経験している私達ですが分娩という生産牧場で最も大切な仕事に向けての緊張から解き放たれることは りません。それでも毎年1頭目が生まれると少しホッといたします。 今年は1月生まれの当歳馬が例年よりもやや多いです。最寒月のこの時期の新生子の管理が難しいのは当州も変わり りません。低温でも好天続きで ったためしっかり運動することが出来、各馬とも順調に3月からの昼夜放牧に向けて準備を進めているように見えます。前年度不受胎馬は11月から夜間照明を続けており卵巣周期は既に安定。偶然全ての不受胎馬の発情期が同時期で2月3週目からは交配業務に追われそうです。種牡馬を繋養している牧場の交配予約責任者は全て女性なのですが、毎年良質のチョコレートをバレンタインデーに送付することからいよいよ私達の繁殖シーズンは助産・交配業務ともピークを迎えます(女性から男性にチョコレートを送るのは日本だけで他国では男性が贈らなければいけない)。贈り物は最善の時間に交配予約を入れてもらうためのささやかな賄賂と言えそうですが、兎に角忙しいこの時期の双方の気分転換にもなります。 ケンタッキー州の冬は2月まで。もう少しで緑の絨毯の上を駆け回る当歳の姿を見ることができます。


熱いフロリダの冬

 「競馬産業の都」と自らを呼ぶレキシントン市ですが、米国にもう一つ同じように自称する街が ります。フロリダ州北部に るオカラ市です。同市はフロリダ中部の中心都市でディズニーワールドで有名なオーランド市から北へ車で1時間ほどのところに り、米国で最も騎乗馴致で有名な場所として知られています。  毎年冬に私達はオカラへ出張し、当社産馬または市場で購入した1歳馬(現明け2歳)の馴致状況を調べに行きます。ただ、送り出すだけではなく場合によってはかなり具体的に馴致についてのリクエストを先方に渡すことが ります。各育成牧場がそれらのコメントに従い調教を進めているか、そして勿論各馬のコンディションは報告通りで るかを確かめるのが出張目的です。  大きなスケールで運営されているケンタッキー州の牧場ですが、ここに住む私達でさえもオカラの育成牧場の規模には強烈なインパクトを覚えます。樹齢200年以上の常緑の樫の大木に囲まれた厩舎、広大な草原の中にレイアウトされた調教馬場、使用する砂のクッション性の良さ、騎乗スタッフの質・量など米国産馬の活躍を支える秘密がオカラに ると言っても過言では りません。有力1歳馬の多くは1歳馬せりシーズンの後南下しオカラ周辺で馴致を終え、ペイソンパーク、パームビーチトレーニングセンターなどに拠点を構える調教師達の下へ送られ新馬戦に備えます。2歳調教セールに上場予定の若駒が同市で準備を進めていることは言うまでも りません。  オカラへの対抗意識も り、当州内でも良い仕事をする育成牧場が増えてきました。馬によってケンタッキーで初期馴致を行ってからオカラやサウスキャロイナ州へ1歳馬を送るケースも増え米国でのサラブレッド管理もバラエティーに富んできました。ここ数日冷え込みが厳しい米国ですが、2歳馬達は「熱い冬」を過ごしています。


林幻騎手帰国

 ケンタッキー州に滞在していた下藤幻騎手(日本での登録は林幻)がすべての研修過程を終えて帰国しました。2年前に知り合いの調教師を通して連絡してきた同騎手はどうしても自分を磨き直したいという気持で一杯でした。日本のトップが来ても騎乗馬が集まらない実状を考えるとこちらに来ても1年半競馬で乗れない可能性が・る、その覚悟が出来ているという条件で米国研修の手伝いをさせていただくことにしました。恵まれた日本国内の騎手を取り巻く環境に比べると欧米では騎手免許をとっても即、生活の心配をする必要が・ります。その中で馬主や調教師の信頼を勝ち得て騎乗機会を増やすには技術とコミュニケーション能力、そして社会人として信頼されることが必要です。当たり前のように感じますが彼等の競争の厳しさは私の筆力では書き表せません。私達は騎乗のプロではないので技術面では何も言えませんでしたが、それ以外のことでは会えば小言を言い続けていたように思います。同地区にルパローやベラハノという同年代の花形騎手がいたことも下藤騎手にとっては幸運でした。騎手にとって競馬に乗れないということはとても辛いことです。しかし、下藤騎手はその辛さに耐えて独力で少しずつ調教依頼や騎乗依頼を増やして来ました。  帰国後初騎乗初勝利のニュースは大変嬉しく聞きましたが、これからが本当の勝負です。米国研修の成果は日本での騎乗成績でしか判断されません。厳しい仕事だと思います。日本に戻り渡米前のレベルに戻る可能性も・ります。私達は心から下藤騎手の成功を祈っています。成績で、そして普段から襟を正して仕事に臨むことで競馬を世にアピールする存在になってもらいたいと思います。












WINCHESTER FARM

4468 Mount Horeb Pike
Lexington, KY 40511 USA
電話   859-226-0788   ファックス  859-226-0078